水星逆行の真意とは

2019年7月8日に、今年2度目の水星逆行が始まります。
毎回、逆行の前に大事な連絡や買い物は済ませておこうとソワソワするのですが、水星逆行のプラスな面をもっと活用したいですよね。

何かと否定的に取られがちな水星逆行について、アメリカの占星術氏 Steven Forrest 先生が深く掘り下げた記事を書いて下さっていました。個人的に大好きな先生で、今回の記事もとても良い学びになりました。

せっかくなので多くの人に読んでいただきたく、早速日本語に翻訳しましたので掲載いたします。とっても長い記事ですが、ご興味のある方はぜひお読みください😊
 

 


翻訳元の記事は、こちらのサイトから。(*翻訳掲載の許可を得ています)
Steven Forrest : https://www.forrestastrology.com/


水星逆行 2019.07

気をつけて!7月8日から8月1日まで水星逆行!
こんな声をまた聞くかもしれません。計算ミス、コミュニケーションの行き違い、誤解が生じやすい、といったイメージが強いですが、水星逆行には他にも意義があります。

金星逆行や木星逆行というとピンとこなくても「水星逆行」は不吉な言葉のように捉えられています。

どういう訳か「水星逆行」という占星術のちょっとした専門用語は、双子座や牡牛座など 自分の星座についてよく知っているのと同じくらい、一般にイメージが定着してきました。占星術について知識の浅い人には水星逆行はトラブルを引き起こす悪いイメージで捉えられているようです。

ベテランの占星術師に聞けば より深い意味合いの説明やアドバイスを聞けるはずです。「水星逆行の影響があるのは事実ですが、だからといってドゥームズデー・カルト(終末論を語るカルト集団とか)に入っちゃいけません!」とかね。

どういうことか、言葉を変えて説明しましょう。

極端に走らず微妙なニュアンスを感じ取ろうとする姿勢が水星逆行を考える時に大切になってきます。私もみなさんと同じように水星逆行に関する実体験はたくさんあります。1年に3回、1回につき3週間強は逆行しています。つまり1年間の約5分の1は逆行しているので 珍しい現象ではありませんからね。

水星は一般的には「コミュニケーション」を司る天体とされていることから、誤解や 意見の不一致などの「コミュニケーション・エラー」が、ごく一般的な水星逆行の説明として挙げられます。

たとえば「おばあちゃん、食べようよ!」が「おばあちゃん食べようよ!」と勘違いされて周囲に怪訝な目で見られたりね。

他にも、メールの誤記とか送受信の遅延、システムのトラブル、PCのスペルチェック機能が作動しない、電子機器がうまく作動しない、といったことも水星逆境の影響によるコミュニケーションや通信のエラーと言えます。この時期はできれば新しい電子機器を買わないほうがいいかもしれません。たとえ、古いパソコンが故障した原因が水星逆行のせいだったとしても。それから水星逆行の期間はフライト予約をするのもおすすめしません。あなたのスーツケースが紛失されて地の果てに消えてしまうかもしれません。

こんなふうに、水星逆行の注意書きはどんどん続きます。

ここまで言うと私が水星逆行を否定的に捉えているように感じるでしょう。ですがこれらは私が知っている水星逆行の影響の「半分」でしかありません。上記の水星逆行の影響は全て実際に起こりうる内容です。ただ、いつも過剰に扱われてしまうのが問題です。

2019年3月14日、ニューヨークタイムズにこんな記事が出ました。
「水星逆行中!でも心配ご無用」
この記事では 占星術の見解を取り入れつつも最終的に「疑似科学的」という言葉が強調されていました。また「実際には、天体と人々の動きの間に相互関係はないことが 今までの調査で分かっています」という、明らかに間違った記載もありました。

私は水星逆行がいかに大きな影響を持つようになったかを書きたくてこの記事を引用しますが、ニューヨークタイムズの編集者は水星逆行の影響を疑問視する姿勢ですね。

先ほど「明らかな間違い」と書きました。何年か前にインターネットで水星逆行に関する記事を見たことがあります。残念なことに引用元をメモし忘れたのですが、私はこの記事をハードディスクに保存していて、水星逆行の期間に大きな移動や旅行の予定があるクライアントの不安を和らげるために使い続けてきました。出典を出さずに引用して申し訳ありませんが、私の経験的にもその記事に書いてあったことは実質的に正しいと言えるでしょう。

"アメリカ交通統計局(BTS)によると、過去3年分の夏の時期にニューヨーク州のラガーディア空港を出入りする国内線フライトの遅延率は 水星が順行している期間は22.8%、逆行中は24.6%に上がった。


さらに、過去3年間の輸送中の手違いによる荷物紛失は、水星が逆行していない月は1ヶ月に1,000人中5.38個で、水星逆行があった月は1,000人中5.44個となっています。これは乗客15,000人単位で考えると水星逆行中は荷物紛失が1つ分多い計算になります。"

2点コメントします。
1点目。「天体と人々の動きの間に相互関係はないことが これまでの調査で分かっています」という指摘は通用しませんでしたね。事実、荷物の輸送ミスを起こした人がいます。

2点目。水星逆行中に飛行機に乗るはめになったからといって「スーツケースにさよならのキスをしなさい」ということではありません。もしあなたが15,000人のうちの不運な人に当たらない限りは、歯をピカピカに磨いて新品の下着を着ていれば翌朝なに事もなく気持ちよく到着するでしょう。

おそらく天使たちは毎日嘆いているはずです。占星術が実際に作用することをより多くの人間が認めはじめている。でも人間はいつもそれを間違った目的に使いたがる、と。占星術は実際に手品のようなトリックを起こすことがあるけれど、その本当の目的は 荷物を紛失する確率を測ったり、電子機器を壊したり、誤っておばあちゃんをバーベキューにしようとしたり、といったことではないのです。占星術の真の目的は、私たちに人生や精神、魂について深く考えさせることにあるのです。

どの天体も 逆行が始まると一度通り過ぎた場所に戻ります。水星は一般的に「情報」に関連していると言われますね。私たちは「1+1+1=3」といった既に知っている情報のことを「記憶」や「メモリー」と呼びます。したがって、水星逆行の期間中は過去を振り返って自身の記憶を見直すことを目的の一つとしてもよいでしょう。

記憶を辿るノスタルジックな旅?というと意味深ですが、なにも不安に思う必要はありません。ここで、ある中年男性の例を挙げます。彼は父親とずっと離れて生活しており、息子として愛されていないとか、不要な存在に思われているのだと感じていました。父親は7年前に亡くなっています。ある水星逆行の時、水星が彼の4ハウスの土星の上を通過しました。4ハウスの土星は、父親を意味します。彼はその時 何かに駆り立てられるように家族写真を取り出します。そして初めて大人として、自分の父の写真を見つめていました。それまでは、自分が全く愛されていなかった少年時代の記憶が彼の意識に反映されていました。今、改めて写真に写った父親の目を見て感じるものは(たとえそれがただの写真でも)空虚さや絶望感、そして父親自身が誰にも愛されていなかったのだろう、という印象でした。

この男性の体験は、水星逆行の意義を完璧に表しています。彼はまさに自分の中に蓄積された過去の記憶に立ち戻り、現在の自分の視点でその歪みを正すことができました。

もう一つの例は、アルコール依存症に苦戦する女性の話です。ある時、担当の心理セラピストが ふと彼女に 子どもの頃の楽しかった記憶を尋ねました。彼女の頭に最初に浮かんだイメージは、母親が楽しそうに自分と彼女のグラスにワインを注ぐシーン。まだ彼女が10歳の頃の記憶です。その時の彼女は母親の愛情と絆を強く求めていました。今でも「さぁ飲んで。これは私の愛の証よ」と言う母の声が耳に残っています。

ここまで話したとき、彼女とセラピストは思わず目を合わせ、「神様、なんということでしょう」という言葉が声にならないまま宙に舞いました。異常な母親と楽しく過ごしていた子ども時代の自分には分からなかった真実が、この時はっきりしたのです。

ちょうどその頃、水星はこの女性の出生図の「月」の上を逆行していました。月は、言うまでもなく母親を象徴するものです。

私たちは皆、時間の流れの中で人生を全うします。記憶は絶え間なく蓄積され続けますが、その一つ一つは客観的に捉えると正確とは言えず、その時々の主観的な理解や思い込み、意見、防御、正当化、誤解などが事実を歪ませ、そのまま記憶として組み込まれてしまうのです。

記憶は頭の中にとどまり、ホコリを被って問題視されることもなく、まるで1977年からずっと図書館に放置されている本のようにただ並べられています。(この年代は性差別や同性愛蔑視の本が多く存在しましたが、その後長きにわたり問題視されず放置されていました。)

一方で私たちは、年を追うごとに少しずつ経験を積み見識を深めて一歩一歩 成長していきます。今の視点を持って過去の出来事を見てみるとどのように映るでしょうか。これこそが、水星逆行がいつも私たちに問いかけている事です。

最初の話に出てきた男性は、心を病んだ父への同情心に目覚めました。幼い頃から抱いていた「自分は父に愛される価値がない」という思い込みは消え去り、それは石から血液を採るような無駄な行為だったことを理解しました。幼い頃は見えなかった真実を知った事で重荷から解放されたのです。

アルコール依存症の女性は、彼女のめちゃくちゃな母親との絆を欲して心の「乾き」を感じていたことや、10歳のときに母と飲んだアルコールが、心の奥で その「絆」の象徴になっていたことに気がつきました。

これらは、どちらも人生を変えるようなドラマチックな話です。普通に考えて、同じようなことが私たち一人一人に年3回ずつ起こるはずはありません。水星逆行によって、このように印象的な出来事が起こるのは、次に挙げる2つの占星術的な条件が必須です。

  • 1つ目:自身の出生図のとりわけ繊細な位置で水星逆行が起こる。
  • 2つ目:精神の奥深くにある冥王星的な性質のものが掘り起こされるようなきっかけが必要。水星逆行が印象深い現象を引き起こすときは、その引き金となるような要因が必要です。逆行中の水星を火のついたマッチだと思えばいいでしょう。ダイナマイトの山に点火すれば派手な結果になる、ということです。

そのような条件がない場合、水星逆行の期間はどんな意味を持つのでしょう。地を揺るがすような内容にはなりませんが、それでもやはり大事な意味があるのです。

  • 会計士の男性は 数週間前に終わったはずの仕事がなぜか気になって仕方ありません。モヤモヤした気持ちを払拭しようと、ある企業の帳簿を見直してみると大事な資料の中で小数点の位置が間違っている箇所を発見しました。
  • あるミュージシャンは、納品前ので音源を聴き直していました。ふと、ベースの音が大き過ぎてヴォーカルの存在感が失われているように感じ、ミキシングをやり直しました。
  • クリームブリュレを眺めつつ何か落ち着かない気持ちになったシェフは、その材料を調べたところ賞味期限が切れていたことに気が付きました。
  • 弁護士の女性は大事な契約書にサインがないことを発見。これがないと取引きが成立しないところでした。

水星逆行は「今の視点」を曖昧で歪んだ記憶の中に送り込みます。その当時はいろいろな現実の中で見落としていても「今」居る場所から、現在の自分の視点で見直すことで真意を理解するようなニュアンスです。

荷物の紛失? PCのクラッシュ? コミュニケーションの行き違い?

もちろん、水星逆行中にそういったことも起きます。ですがこの類のものはちょっと我慢強く対処すれば防げることです。水星逆行中にやらなくても大丈夫なら、2週間ほど待って順行に戻った後にやるのはどうでしょう。もちろん水星逆行を無視しても問題なく事が運ぶ可能性も十分あります。ただそれは、薄くなっている氷の上を、まだ自分の体重を支えるには十分だ、と決めて歩くような感覚です。

また、水星逆行の期間というのは、自分自身が直感的に感じる不安や、心に何かが引っかかる感覚を信じて対処してみる、という姿勢を持ってください。少しでも気にかかる事が出てきたら、立ち戻ってそれらを確認してください。もし友人に誤解させるような事を言ったかもしれない、と思ったらその人ともう一度話して不安を解消しましょう。確認し、正しい認識合わせをすることは少しも悪いことではありません。

おそらくここまで読んで、結局のところ自分が最善を尽くす事で小さな問題を克服できることがわかったはずですから、些細な問題にばかり気をとられるのはやめましょう。

ただ、水星逆行の時には予想のつかない動きがあるかもしれない、ということは心に留めておきましょうね。自分でも気づかない無意識や潜在意識の中から、何か語りかけてくることがあるかもしれません。過去の出来事が急に気になったりしたときは真摯に受け止めて考えてみましょう。何かがあなたを呼んでいます。いま一度振り返り、出来事の真意を知るとか、記憶を正しく書き換える必要があるとか、今の自分の視点で考え直すべきことがあるはずです。古い手紙や、昔大好きだった映画を改めて見直したり、ふと頭に浮かぶ思い出の場所に行ってみるのも良いかもしれません。

過去を思い起こすには昔の写真が非常に有効です。写真のある時代に生まれて幸運です。たとえば両親が29歳の頃、まだ私たちが言葉もおぼつかなかった頃の写真はどんな風に見えるでしょうか。写真の中の若い父や母の目を見てみてください。古い家族写真の中から、どんな風にあなたを見つめているでしょう。

昔付き合っていたお相手はどうでしょう。記憶の中の人物像と同じように見えますか。もしかしたらあなたが思っていたような人じゃなかったかもしれません。

アメリカ南部の文豪、ウィリアム・フォークナーの「過去は決して死なない。それは過ぎ去ることさえない」という言葉が今回の話と重なります。これまでの自分や、今まで見たもの、やった行いなどはすべて、永遠に自分と共に生きています。過去に起きた事は今も自分の中で続いています。過去の出来事や体験は現在の自分の考え方、恐怖心、過剰に反応したり誇張したりする感受性に溶け込んでいます。今までの記憶の上に今の自分が成り立っています。今現在のあなたは、これまでの自分自身を総合して表しているのです。

でも、その記憶の一部に「誤り」があったらどうでしょう。もし、昔は見えていたものが見えなくなっているとしたら。何かそこに引っかかるものを感じたら、それこそが今見直すべき事柄だと言えるでしょう。今の自分は昔よりも賢く成長しているはずです。以前とは違う視点で振り返ることで、物事がちゃんと見えるようになるでしょう。

水星逆行に注意することで、荷物の紛失や確認ミスを防ぐことはできます。そういったことのために水星逆行の知識を使うのも全く間違いではありません。

でも、そんな事よりも自分の人生の真実を見つけるために、水星逆行を使ってみるのはいかがでしょうか。

この貴重なチャンスを逃したら、それこそ自分自身との「コミュニケーション・エラー」ですね。

さて、おばあちゃん 食べましょうか。

– Steven Forrest –


翻訳はここまでです✏️
拙い訳文で恐縮ですが、占星術を学ぶ一助としていただけたら嬉しいです😊
長文をお読みいただきありがとうございました!

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